茄子(ナスビ)が木に・・|園芸店で起こったまさかのクレーム

小売店で働いていると商品などにクレームが付けられることがあります。

園芸店も例外ではなく、私が勤めていた頃も様々なクレームが発生していました。

その中で、夏野菜の茄子に関するクレームで思い出深いものがあるので、ご紹介しようと思います。

クレームと言っても、お客さんに原因があった訳ではなく、
商品に思わぬもの(セイバンナスビ)が混ざってしまっていたという話なのですが、
家庭菜園をしている方であれば、同じようなことがあるかもしれません・・!

夏のある日、電話が

それは突然の電話。相手は高齢の女性でした。

「越冬したナスが巨大化して手に負えない。なんとかしてくれない?」

えっ・・!?どういう・・・!?どういうこと!?

詳しく話を聞いてみると、昨年お店で買ったナスが越冬して巨大化し、
実もならないし様子がおかしいので見に来て何とかしてほしいとのこと。

話を聞いても状況が理解できない・・何か他の植物と勘違いしてるんじゃないかなぁ。。
寒さ対策も何もしないでナスが越冬するなんて聞いたことありません。
それに大きすぎて自分じゃ対処できないから来てほしいってどんな状態なんだ・・。
謎は深まるばかりです。

困っているお客さんに対して知りません!なんて言えません。

必要な情報を聞き出し、
どんな状態でも対処できるように工具を積み込んで現地へと向かいます。

枯れることの多い植物が越冬する場合、
木のように固くなる(木質化)することが多いので、
ハサミだけでなくノコギリももっていきました。

現地に到着すると・・

現地に到着し、畑に案内してもらいました。そこで見たものはコチラ

ちょっとごちゃごちゃして見えにくいですが、この真ん中のヤツです。

横のフェンスの高さが1.5メートルくらいありましたが余裕で超えてます。
根元から先端までの高さは4mくらい。

デカっ!コレ・・茄子ではないよな(笑)

あまりの迫力に笑ってしまいました。想像のはるかに上をいくサイズで、
電話されてきた方が困るのも頷けます。しかしこれ・・お店で買った茄子なの?

サイズ感からしてどう見てもナスじゃないだろうと思っていたのですが、葉をよく見ると・・

葉っぱはナスにすごーく似ている!!

白茄子の葉によく似ているなーと思ったのと、さらに茎には小さなトゲがありました。

うーん、ナスだ、凄くナスだ。
でも何かよく分からない実がたくさん実っています。

最初はちょっと困ったクレームかと思いましたが、
こんなナスに似た植物は初めて見ましたし、お客さんもお店で買ったと言って、
嘘を言っているような感じではないので困惑してしまいました。

この時点でなんという植物かわかりませんでしたが、このままにはしておけません。
お客さんもお困りの様でしたので、可愛そうですが伐採です。

持ってきたハサミやノコギリを使って切っていきました。

切った茎がこちら・・茎じゃなくて幹ですね。

直径8センチくらいありました。ノコギリをもってきておいて助かった。。

ハサミじゃ絶対無理です。
切り株が残っていてはまた芽が出てきて大きくなる可能性があるので、
シャベルをお借りして掘り起こして根が残らないように完全撤去しました。

そして車に乗るサイズまでバラして・・結構大変です。作業完了後お客さんへ報告、
とても喜んでいただけました。

犯人はセイバンナスビ!

店に帰って後で調べてみたところ、この植物の名前が分かりました。

その名はセイバンナスビ(生蕃茄子)!

茄子だった!!!

初めて聞く名前でしたが、やっぱりナスでした。

セイバンナスビとは?

セイバンナスビとは、スズメの卵ほどの小さな実をつけることから、
和名はスズメナスと呼ばれています。

スズメナスビはナス科の常緑樹である。

樹高は2~3m程度であるが、最大で5mにも及ぶことがあるという。茎には鋭い刺がある。
葉は5cm前後程度の葉柄を持ち、長さ5~18cm程度の卵型で枝に互生する。

葉には短毛が多く見られる。花は枝先の葉腋から集散花序を出し、白色の筒状花で花冠は5裂する。花後には径1cm程度で緑色、球形の果実を結ぶ。果実はやがて、黄熟する。

参照:GKZ植物辞典・セイバンナスビ

あまり情報が無かったのですが、熱帯アジア原産の植物のようで、
日本では沖縄県の石垣島などで見られるようです。

ちなみに、小さな実は食べられるみたいで、
タイ料理で一部のタイカレーの原料として使われていたり、
ジャマイカ料理やラオス料理にも使われているそう。どんな味がするんだろう。

真相は謎のまま

後日バイヤーに確認してみましたが、同様の事案は報告されていませんでした。

いつ買われたどのロットのものなのかも不明なので、
このナスビはお店で売っていたものなのか、
お客さんが植えた若しくは種を落としていたものなのか、真相は分かりませんでした。

セイバンナスビの苗は一般的なナスの苗と非常によく似ており、
並べられていると区別がつかないレベルです。


誤って農家さんが混入させてしまった可能性も否定できません。

真相は究明できませんでしたが、
今回の件でナスには木になる種類もあるということを知ることができた良いきっかけになりました。


知らない野菜に出会えてよかった、と思います。

実、食べてみたら良かった・・(笑)

育てているナスが巨大化し始めたら注意しておいてくださいね!
もしかしたらそれはセイバンナスビなのかもしれません(笑)

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