【植物】1年で2000種以上!?|新種発見の事実

最近、雑誌などで塊根植物や珍奇植物などの特集が組まれるようになり、つくづく植物の世界は奥が深くて、知らないことが多いなぁと思い知らされます。

そんな奥の深い植物ですが、あなたは植物の新種がどのくらい発見されている知っていますか?

NHK出版の「植物は<未来>を知っている」によると、

ここ10年ほど、毎年2000種を超える新種が発見されているとのこと

この2000種類というのは、そのすべてが「初めて人類が発見したもの」という訳ではなく、既に発見されていたが、学名が付けられていなかった品種に新たに学名が付けられたというものも含みますが、それにしても凄い数ですよね。

なぜ大量に新種が見つかるのか?

現在は30万を超える植物が発見されている様ですが、日本科学協会による平成12年の調査によると、平成12年(西暦2000年)時点で名前が付けられている植物の数は27万7千種とされていました。

ざっくりした計算ですが、2000年からの18年程度で、植物の数が10%も増加しています。

植物の研究はつい最近始まったものではなく、かなり昔から調査されており、世界中に人が居て、人類未踏の土地なんてほとんど無いはずなのに、毎年2千を超える新種が発見されるとは、ちょっと信じられないですよね。なぜこんなにも新種が見つかるのでしょうか?

そもそも知られていない植物の方が多い!?

植物について、人間は知っていることの方が多いと思いがちですが、実は知らないことの方が多いようです。

下記は少し古い記事ですが、参考になるデータです。

数世紀にわたる懸命な努力にも関わらず、地球上の生物種のおよそ86%はいまだに発見されていないか名前が無いらしい。最新の推計によると、地球には総計870万種の生物が生息しているという。 つまり、分類済みの種は15%に届かず、現在の絶滅速度からすれば多くが記録されずに姿を消してしまうだろう。 

参照:ナショナルジオグラフィック「 地球上の生物は86%が未知種? 」

地球上の生物種とは、植物だけでなく、動物などすべての生物を含みますが、名前が付けられている種は120万程度となっているとのことで、地球上の生物は86%が未知種であるとのこと!!

ほ乳類や鳥類など一部のグループについては、調査が進んでいるもののそれ以外のグループはまだまだ未知種だらけ。

人間って知っている様で全然知らないんだなぁ・・
知らないことの方が多いと考えると、新たな発見が多いのも頷けます。

生物種全体でみると、年間1万8千種もの新種が発見されているとのことのなので、植物が2千と考えると多くもないように感じてしまいます。

文明の進化も影響

交通手段や通信手段の発達、そして人工衛星の高性能化は、新種を発見するための大きな助けになっているようです。

人工衛星によって、新種がいそうな場所を特定し、交通手段の発達やGPSによって目的地にたどり着けるようになり、100年前や50年前よりも遥かに調査の効率が良くなっており、


新種は確実に見つけやすくなっています。

当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、文明の利器というのは素晴らしいものです(笑)

日本での新種発見は少ない

毎年世界で2000種類も植物が見つかっているんだから、日本でも沢山見つかっているんだろうな~と思うかもしれませんが、実は日本の植物の新種発見はかなり稀なことです。

日本で新種の植物が見つからない理由は
日本国内の植物調査(戸籍調べ)が世界で最も進んでいるからです!

日本の国土面積は大きくないですが、南国の沖縄、雪国の北海道など、南と北で環境や生態系が大きく異なり、多種多様な植物がいます。
それでも調査がここまで進んでいるとは・・日本の植物学者の方はスゴイです!!
もっと自慢していいんじゃない・・・!?

それでも年に数件は新種の発見が・・・!

2019年の2月神戸大学が沖縄で「オキナワソウ」という光合成をやめた植物を発見しています。

神戸大学大学院理学研究科の末次健司講師、森林総合研究所九州支所の木下晃彦主任研究員 (当時、国立科学博物館・非常勤研究員)、(一財) 沖縄美ら島財団総合研究センターの赤井賢成研究員らの研究グループは、沖縄県の沖縄本島や石垣島の複数地点で未知の光合成をやめた植物を発見し、新たに「オキナワソウ」と命名しました。詳しく検討した結果、この植物は、屋久島固有種であるヤクシマソウに近縁であることから、ヤクシマソウの新変種として発表されました。
 本研究成果は、2月28日に国際誌「Acta Phytotaxonomica et Geobotanica」に掲載されます。

参照:神戸大学HP

このような植物は、菌従属栄養植物と呼ばれます。菌従属栄養植物は光合成を行わないため、花期と果実期のわずかな期間しか地上に姿を現しません。花期や果実期は短く、またサイズも小さいものが多いため、見つけることが非常に困難です。

参照:神戸大学HP

ホントに日本の研究者の方はスゴイ・・よく見つけたなぁ。。

これからも日本で新種が見つかることが楽しみです・・!!

新種の発見が生み出すもの

地球にはまだ人類未踏の地も残っていますし、今後も沢山の新種が見つかることでしょう。

そして、通信技術のさらなる進歩と、画像解析を得意とするAIなどによって今後、今よりももっと速いスピードで新種が発見できることになると思います。

新種の発見は無限の可能性を秘めています。

「植物は<未来>を知っている」によると、人間が活用している植物の種類は3万1千種以上で、医療目的、食物、建築用、社会的な目的、エネルギー資源に活用されています。

新種は、単純に珍しい植物というだけでなく、新薬が生まれたり、新しいエネルギーになったり、新たな観葉植物となったりする可能性を秘めたものなのです!!

なんか、壮大さが宇宙を研究するのに似てますね(笑)これからも植物の研究が進むことを望みますし、面白い植物が発見されるのを楽しみにしています!

いや~植物ってホントに奥が深いなぁ・・

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