特徴的な見た目が多く、男性にも女性にも人気の多肉植物。最近ではあちこちで売られているのを見るようになりました。
そんな多肉植物ですが、寒くなってくると枯れてしまわないか心配になり、置き場所や育て方が不安になる方も多いかと思います。
そこで今回は、
「多肉植物の冬の置き場所、管理はどうしたらいいの?」
という疑問を解消するべく、多肉植物の冬の管理について、記事を書いていきたいと思います!
この記事の目次
先ずは、多肉植物の特徴を知ろう!
多肉植物を冬越しさせるために、先ずは基本知識を知っておきましょう!今、家にある多肉植物がどんな子達なのかを知れば、管理はしやすくなりますよ。
売られている多肉植物のほとんどは、元々は世界各国から持ち込まれたものです。
エケベリアやアガベは中南米から、サボテンはアメリカやメキシコから、ハオルチアは南アフリカから、などなど
当然ですが、それぞれの原生地により気候(気温)も変わります。
多肉植物は元々生きていた原生地の気候を好みます。
そのため、多肉植物の種類によって、生育しやすい季節は異なります。
生育型は主に3つ
多肉植物の種類によって、生育しやすい季節は異なると言いましたが、大きく分けて三つの生育型があります。
・春秋型
→暑すぎるのも、寒いのも苦手。 13℃~25℃が生育適温。
春秋型の品種は沢山あり、3つの生育型の中ではこの春秋型が多くの割合を占めています。スーパーやホームセンターで売られているサボテン以外の多肉植物はこの春秋型であることが多いです。
セダムやエケベリア、ハオルチア、センペルビウムなどがこの春秋型で、 寒い冬は生育を止めて休眠します。
・夏型
→暑いのが大好き!寒さには特に弱い。20℃~35℃が生育適温。
流行りのアガベやアデニウム、 パキポディウムなどのコーデックス(塊根植物)、 アロエ、サンセベリア、などがこの夏型。冬は温室や屋内に避難させないと枯れてしまう可能性が高い種類が多い。
・冬型
→涼しいのが大好き!暑いのは苦手ですが、冬型と言っておきながら寒すぎるのも苦手です。5℃~23℃が生育適温。
リトープスやコノフィツム、アルブカなどがこの冬型。比較的寒さには強いですが、油断は禁物。
どの生育型も寒さには弱い
コーデックスの一部など気温が10℃を下回ると枯れる品種もあり、比較的寒さに強い冬型でも5℃以下は厳しい。
多肉植物のほとんどは、1年を通して温暖な気候である地域を原生地としており、寒い冬のある日本では、対策をせずに外に置いておくと、越冬できずに枯れてしまうことが殆ど。
特に、 水に氷が張るような零度以下の環境になると 水分が多い多肉植物は凍死する可能性が大。一度凍結すると再起はほぼ不可能で、ドロドロに溶けて死んでしまいます。。
まずは置き場所を考えよう!
室内で冬越しさせる
管理している多肉植物の数が少なく、室内に日が当たるスペースがあれば冬の間は室内で管理するのが楽です。
室内に置いておけば、凍結して死んでしまう可能性は低くなりますからある程度安心して冬越しできます。
・日当たりを確保する
・風通しの悪いところには置かない
・室温の寒暖差に注意する
多肉植物は日光が大好きな植物です。室内の日当たりが悪いところに置いてしまうと、日光を求めて徒長したり、弱る可能性があるので、窓の近くなど日の当たるところに置きましょう。
気温が高くて晴れている日は、外に出してあげると良いです・・!そのまま外に置き忘れないように注意してくださいね!
また、熱風や寒暖差で弱らせないために、ヒーターやストーブの近くに置いたり、暖房の風が直接当たらないように注意してください。できるだけ1日を通して同じ温度になるようなところに置いてあげると良いです。
屋外で冬越しさせる
室内に置くスペースがなかったり、数が多くて室内での管理が難しい場合、屋外で管理することになります。
屋外で管理する場合は、日当たりの心配は要らないですが寒さ対策が必要です。
多肉植物が鉢植えの場合は、ビニール温室にいれてあげるのがおすすめ!
小型のものから、大きいものまでサイズは豊富にあります。
温室内は外気よりも暖かくなり、 霜や雪からも守ってくれるので安心です!
ビニール温室を使う注意点は、
日差しが強い時に ビニールは閉めっぱなしにすると、 サウナ状態になり中の植物が蒸れてしまうので、普段は開けておいて特に寒い日や冷え込む夜だけ閉めるようにしてください。
また、気温がマイナスになるような厳しい夜には、ビニール温室に入れるだけでは寒さ対策が不十分なので、植物一つ一つにエアーパッキンを巻いてあげたり、ビニール温室に毛布を掛けるなどした方が良いです。
高額な植物を屋外で管理する場合など、絶対に枯らしたくない!という方は、温室に暖房設備を導入するのもあり!
↓園芸温室用ヒーター があります。
多肉植物が地植えで温室に入れられない場合は、エアーパッキンを巻いてあげたり、不織布をかけておき、霜や雪から守ってあげてください。
寒さに耐えれる品種でも、直接霜に当たったり、雪を被ると枯れる可能性が高くなるので、 対策が必要です。
冬の水やりは必要?
冬の時期でも水やりは必要です。
地域にも寄りますが、春秋型、夏型の多肉植物は12月~2月の寒い期間に、冬型の多肉植物は1月~2月の特に寒い時期に休眠します。
植物の成長が止まる期間のこと
休眠状態に入った多肉植物はあまり水分を消費しませんが、それでも葉から蒸散したり光合成するときに水を使います。
休眠中の多肉植物には月1回程度、土が完全に乾いたのを確認してから水を与えます。葉にかからないように、鉢の下から水が出るまでたっぷりと与えます。
土が湿った状態では根腐れしやすく寒さにも弱くなるので、水やりした後は土が早く乾くように風通しの良い場所に置いてください。
室温次第では多肉植物が休眠に入らず、成長を続ける場合があります。水やりは株の様子を見て、土が完全に乾いたらあげるようにしてください。
寒波に注意!天気予報をチェックしよう
屋外で管理する場合はもちろんのこと、屋内で管理している場合でも寒波には注意が必要です。
多肉植物もある程度は寒さには順応してくれますが、寒波の場合は気温が急に低下するので変化についていけず枯れてしまう可能性が高いです。
また、気温がマイナスになる日も同様に注意が必要です。葉に水分を多く含む多肉植物は凍結しやすく、一度凍結すると次の日には溶けて死んでしまいます。
天気予報をこまめにチェックするようにして、寒波や気温がマイナスになる日は窓際に置かない、屋外においている多肉植物を室内に避難させるなど対策をしてください。
寒さに強い多肉植物
多肉植物の冬越し方法をお伝えしたところで、さいごに寒さに強い多肉植物をご紹介したいと思います。
地域にも寄りますが、寒さに強い品種は地植えも可能なので、花壇などに植えることができます。冬の管理も楽なので、多肉初心者におすすめの品種達です!
セダム属
セダム属は春秋生育型の多肉植物です。和名は万年草と言いますが、その名の通り耐寒性や耐暑性に優れていて強健なものが多いです。
繁殖能力・生命力が強く、挿し芽で簡単に増やせる品種も多いので、株分けして複数育てておけばリスクの分散にもなります。
おすすめの品種は「虹の玉(写真のセダムはコレ)」、「グラバツム」、「アルブム」、「アクレ」などです。
センペルビウム属
センペルビウム属は 春秋生育型のロゼットタイプの多肉植物です。約40種の原種があるとされ、現在の園芸品種は1000種を超えています。
寒さ強い品種が多く、-5℃くらいであれば耐えてくれます。生命力・繁殖力が優れており、見た目も小ぶりで可愛い品種が多いです。冬は葉が紅葉してきれいな色になります。
属名は常緑でとても強健な性質から、「永遠に」(semper)、「生きている」(vivus)というラテン語に由来しているそうです。とってもステキな名前!
おすすめの品種は 「巻絹」、「ガゼル」、「ブラッド・ティップ」などです。
グラプトペタルム属
グラプトペタルム属は春秋生育型の多肉植物で、葉はロゼット型。茎が伸びる種類が多いです。
気温が0度になっても枯れない、寒さに強い品種が多く関東以西での露地栽培が可能な品種として「朧月」などがあります。
ちなみに、グラプトペタルム属とエケベリア属を交配させた「グラプトベリア属」も寒さに強い品種が多く、なかでも「白牡丹」などがおすすめです。
ハオルチア属
ハオルチア属は春秋型の多肉植物で南アフリカ原産です。
特徴的な見た目から愛好家も多く、高値で取引されるような品種もあります。普及種は育てやすい品種が多く、初心者でも手を出しやすい多肉植物です。
水分量が多いので凍ると枯れてしまいますが、寒さには強い方で関東以西の比較的暖かい土地であれば、ビニール温室に入れておけば越冬できます。
おすすめの品種は「ゼブラ」、「オブツーサ」、「玉扇」などです。
まとめ
多肉植物の越冬には不安がつきものですが、やり方さえ分かっていれば枯らすことなく安心して越冬させることができます。
可愛がっている多肉植物を枯らさないためにも、管理している植物の生育型を把握し、室内で管理するか、屋外で管理するかを決めた上で、上記で紹介したそれぞれの対処法を実践してみてください!
無事越冬することができれば、あなたも脱初心者です!越冬も含めて、多肉ライフを楽しみましょう。