都市型農業とは|メリット、デメリット、新規就農に向いている!?

新型ウイルスによる都市のロックダウン、大規模な震災になどによる交通崩壊を経験し、当たり前の食べ物が当たり前ではなくなる恐怖を感じる機会が増えてきた昨今

そんな社会情勢の中、都市は都市らしく農地を減らして行こうと言う志向が変わりつつあり、都市に農地がある重要性、都市型農業の重要性が再認識されています

今回はそんな都市型農業について、メリット、デメリット、そして都市型農業での新規就農について、解説していきます

都市型農業とは

都市型農業とは、その名前の通り人口密集地である都市部で農作物を育てる農業のことです。屋内での水耕栽培施設はその一例ですが、畑での露地栽培も人口密集地であれば都市型農業と言われます

東京都では広い範囲が市街化区域(都市計画上、開発を進める区域)に指定されていますが、そんな市街化区域でも少なからず(東京都23区で11区)農地は残っています。農地は減少傾向ですが、都市型農業自体は珍しいものではありません

都市型農業のメリット

一般的に農業というと、田舎の広い畑でたくさん野菜を育てるイメージが強いですが、都市部で農業を営む場合はそうはいきません。しかし、都市型農業には都市型農業のメリットがあります。

・消費者が生産者の数よりも圧倒的に多い

・消費者との距離が近く、直販が容易

・消費者ニーズ、市場動向が掴みやすい

言うまでもなく、都市型農業の最大のメリットは消費者が近く商品が売りやすいという点です。一般的な農家の多くは野菜などの栽培(生産)に注力しており、生産したものは農協などに卸す(買い取ってもらう)事が多いですが、都市型農業においては、飲食店や消費者に対して直接販売しやすい環境にあります

直販によって市場価格で売る事ができれば、中抜きが無い分利益の幅は大きくなります。そのため生産量は少なくても、十分な利益をあげることが可能です

都市型農業の成功事例として、東京都練馬区ではその日に収穫したトマトの8割を敷地内の自動販売機で売りきってしまうという農場もあり、直販できるメリットは絶大です

都市型農業のデメリット

消費者が近く売りやすい、直販できるという大きなメリットがある一方で、都市型農業は様々なデメリットも抱えています。デメリットとは、以下のようなものです

・土地が限られているため、生産量が少ない

・住宅地が近い場合、農薬や肥料が使いにくい

・周辺住民の理解を得る必要があり、気を遣う

その他、野菜などの盗難、虫の問題、相続問題などなど・・

当然ながら都市部でまとまった広い農地を確保することは困難なので、生産できる野菜の量は限られます。消費者が多いとは言っても、生産量が少ないままでは売り上げは伸ばせません

また、住宅地が近い場合は周辺住民へ配慮する必要があるため、非常に神経を遣うことに・・。臭いのある堆肥は使えず、農薬を当たり前のように散布することもできません。音や虫にも気を使います。いくら昔から農業をやっていたとしても、周辺への配慮は求められます

人が多いメリットが、そのままでデメリットになってしまうワケですが、体験農園などを行い、農場をオープンなものにして周辺住民からの理解を得たり、積極的に直売するなどして農場のファンを作る事ができれば、経営はやり易いものになりそうです

都市型農業の今後と新規就農

都市部の農地は、相続(相続時の遺産分割や、相続税を納税するため)を主な原因として、その面積は減り続けています

しかしその一方で、水耕栽培や垂直栽培などの新しい栽培技術を使った屋内型の栽培施設は徐々に広がりつつあり、2020年2月には、大手スーパーの西友が埼玉県ふじみ野市の「西友上福岡店」3階にプランツラボラトリー社「植物工場・リーフファーム」を他社と共同で開設しています

ビルの3階で育てたリーフレタスを、1階のスーパーで販売することにより、物流コスト、倉庫代、がかからず、安価で安定供給可能。しかも採れたてなので新鮮!とても画期的なスタイルです

水耕栽培や垂直栽培などの新しい栽培施設はこれから導入コストが下がり、徐々に普及していくと思われます。リーフレタスなどの葉物野菜、ハーブなどはこれらの栽培施設で作られるのが当たり前になるでしょう

では、都市部からは農地(畑)は無くなる・・・?

いやいや、そんなことはありません!なぜなら、都市部に農地があることは社会的に大きな意義があるからです

単純に水耕栽培や垂直栽培では育てられない野菜が育てられると言うだけでなく、災害時などに避難所として活用できたり、物流が止まってしまったときでも周囲に食べ物を供給する事ができます

大規模な災害が多発するこの日本においては、都市部に農地を保つべきなのです。国もこうした都市型農業の重要性を認識したのか、2015年4月に都市農業振興基本法を制定し、「将来宅地化を予定」としていた都市部の農地を「あって当たり前」のものへと位置づけを変更しました

都市部の農地を無くそうと言う流れが、少しずつ残そう・守っていこうという流れに変わっているんです!

都市部に新規就農しやすい環境に?

東京都をはじめとする都市部は、近年まで新規就農者がとても少ない状態でした。その理由としては、行政などの支援が少なかったことに加え、使える農地がなかったからです

都市部の農地は多くの場合生産緑地に指定されていますが、これまで、この生産緑地は制度上とても貸しにくい土地となっていました

新規就農者はいきなり都市部の土地を買うことは経済的に不可能に近く、借りると言っても貸してくれるところがない。そんな状態が長らく続いていましたが・・・2018年9月に都市農地賃借円滑法が制定され、生産緑地の賃貸が現実的にできるようになりました

この都市農地賃借円滑法の施行は都市部で新規就農したいと言う若者にとって、大きな追い風になっています

さらに、それだけではありません。各自治体も新規就農の支援に力を入れ始めています。東京都は令和2年度に入って、新規就農者を育てる研修農場(東京農業アカデミー八王子研修農場)を開校するなど、都内での就農支援に本腰を入れて取り組んでおり、その他の都市部でも、新規就農の支援は強化されている傾向にあります

国だけでなく、各自治体も応援しているとあって、都市部での新規就農者は増加傾向に。農業といえば田舎で、と思われがちですが、都市部での新規就農は色々とメリットも多いため、チャレンジする人は増えてきそうです

都市部で新規就農するメリット

・農業を始めるために、田舎に行かなくていい

・自治体に経済力があり、支援が充実している

・水道などのインフラが整っている

・新規就農者が多く、助け合える

「農業をやりたいけど、田舎に引っ越して不便な生活を送るのは嫌」、「田舎の人間関係が不安」と言う方にとって、都市型農業はとても魅力的!また、都市部は新規就農者が多いため、同じ境遇の人達と助けあったり、情報交換することができます

都市型農業は単に野菜を生産するだけでなく、体験農業を行ったりするなど、都市型農業でしかできないスタイルで収益を生み出す事が可能です。これまでの農業に囚われず、新しいことに取り組みたい方などにとって、都市型農業は有利となります!

まとめ

都市型農業とは、その名前の通り人口密集地である都市部で農作物を育てる農業のこと。そして、都市型農業には以下のようなメリット、デメリットがあります

都市型農業のメリット

・消費者が生産者の数よりも圧倒的に多い

・消費者との距離が近く、直販がしやすい

・消費者ニーズ、市場動向が掴みやすい

都市型農業のデメリット

土地が限られているため、生産量が少ない

・住宅地が近い場合、農薬や肥料が使いにくい

・周辺住民の理解を得る必要があり、気を遣う

また、近年は都市型農業を見直す国の方針(2015年4月の都市農業振興基本法、2018年9月の都市農地賃借円滑法)や、自治体の支援策の充実により、都市部での新規就農がしやすい環境になってきています

都市型農業は田舎とは異なり、体験農業を行ったり、敷地内で直売できたりと、従来の農業に囚われない新しいスタイルでの運営が可能です。そういった意味では、都市型農業は農業に対する固定概念の少ない新規就農者が向いていると言えます

都市型農業が益々発展し、農業の新しい姿を見せてくれることを期待しています!以上、「都市型農業とは|メリット、デメリット、新規就農に向いている!?」でした

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