緑になったジャガイモは剥けば食べられる?食中毒に注意しよう!

じゃがいもはコスパが良くて、よく使う野菜の代表格。和食でも洋食でも活躍し、特にカレーやシチューなどの料理には欠かせない野菜ですよね

そんなじゃがいもが、気付いたら緑色に・・!

経験のある方も多いのではないでしょうか?

緑色のじゃがいもはなんとなく食べない方が良さそうですが、捨てるのはもったいないし、剥けば食べられるのでしょうか・・?

今回は、緑色になってしまったじゃがいもについて解説していきます!

緑になっても剥けば食べられる?

色が変わり始めたばかりのものは、緑の部分を切除することで食べることが可能です!

皮は厚めに剥き、芽もしっかり取り除いてください

芋の内部まで緑色になっていたり、皮が濃い緑になっている場合は食べてはいけません

また、綺麗に剥けても、味が苦いものは毒素を多く含んでいる可能性があるので食べない方が良いです。勿体ないですが捨てるしかありません

緑になっていても、加熱すれば大丈夫?

加熱しても毒素を完全に消す事はできません。緑になっている部分、芽の部分は必ず取り除いてください

Q:加熱調理によってアルカロイド(毒素)は減るのでしょうか?

A:15分茹でる→減りません。

500Wの電子レンジで2分加熱→15%程度減ります。
※ただし、電波の強さ、時間、加熱容器の材質、形状や置く位置など条件によって減少量は変化します。

油で揚げる→150℃・5分では減りません。210℃・10分では40%減りましたが、濃い茶色になり、おいしく食べられる状態ではなくなりました。

参照:東京都福祉保健局・食品衛生の窓

緑色のじゃがいもを食べてはいけない理由

そもそも、緑になってしまったじゃがいもは何故食べない方が良いのでしょうか?

それは・・・

緑になってしまったじゃがいも(特に皮の部分)は天然毒素である ソラニンやチャコニンが多く含まれているからです

光に当たって緑色になった部分は100 gあたり100 mg(0.1 g)以上のソラニンやチャコニンを含んでいるといわれています。

参照:農林水産省HP

このソラニンとチャコニンには強い毒性があります

 体重が50 kgの人の場合、ソラニンやチャコニンを50 mg(0.05 g)摂取すると症状が出る可能性があり、150 mg~300 mg(0.15 g~0.3 g)摂取すると死亡してしまう可能性があるとのこと

中毒量は体重に比例して変わります。子供の場合は20mg(0.02g)の少量で中毒症状が出ると言われており、特に注意が必要です

普通に食べれきれてしまう量で死亡の可能性があるなんて・・
じゃがいもが怖くなっちゃいますね

毒素が溜まるのは緑になった皮と芽の部分なので、しっかりと取り除くよう意識すれば大丈夫です

芽や皮を綺麗に取り除くのが大変・・という方には、じゃがいも専用のポテトピーラーがおすすめ

普通のピーラーよりちょっと高いですが、専用なので剥きやすく「芽取り」も付いています

参照:amazon.co.jp

緑色にさせない保存方法

ジャガイモは冷蔵庫に入れてしまうと、でんぷん質が低音障害を起こし、腐りやすくなるため、常温保存が適していると言われています

ただし、常温保存する場合は日光にあたると緑化してしまうので保存する際は日光に当てないように注意しなくてはなりません

ジャガイモの数が少ないなら1個1個新聞紙などで包む。もしたくさんあって包むのが大変なら、段ボール箱や光を通さない黒い袋に入れて保管してあげてください

芋が蒸れてしまうと腐ってしまう確率が高くなるので、できるだけ風通しの良い場所に置いて袋に入れる場合は口を閉じずに通気できるようにしましょう

買いすぎに注意!

スーパーでたまに安く大量のジャガイモが売っていることがありますが、買いすぎには注意!

本来、ジャガイモは日光に当てずに適切に管理すれば数ヶ月貯蔵可能な野菜ですが、食べきれずに放置していると緑化したり、芽が出る可能性があります

「買ってしまったから捨てるのはもったい!」ないと、無理して食べてしまう原因にもなるので出来るだけ早く使うようにしましょう

品種にもよりますが、安いジャガイモは収穫後しばらく日数が経過した古いものである可能性も高いです

特に、2月〜4月に安く販売されているじゃがいもはその前年に収穫されている可能性が高く、長期保存には向いていない場合が多いので早めに消費するようにしましょう・・!

おまけ

嫌われ者だったじゃがいも

じゃがいものことを知らなかった中世のヨーロッパ人は、芋の部分ではなく、じゃがいもの芽や緑の部分を食べてしまうことも多かったそうです

食中毒になってしまう人が多かっただけでなく、ゴツゴツとした醜い見た目から食べるとハンセン病になると言うデマまで流されていました

さらに、聖書に書かれた「神は種子で増える植物を創った」との言葉に反してじゃがいもは芋で増えるため、じゃがいもは気味の悪い「悪魔の植物」だと言われていました。時に、裁判に掛けられ火炙りの刑に処されたこともあったとか・・(火炙りのじゃがいも ・・?旨そうです笑

じゃがいもが火炙りの刑なんて笑える話ですが、それだけ中世のヨーロッパ人達は本気でじゃがいもを食わず嫌いしていたワケです

そんな嫌われ者のじゃがいもでも、その生産性の高さ、貯蔵ができる便利さから徐々に広まっていきましたが、フランスにはなかなか広まらなかったそう

このフランスにじゃがいもを広めた人こそ、かの有名なマリーアントワネットとルイ16世です

パルマンティエ男爵の提案でルイ16世は王妃のマリーアントワネットにじゃがいもの花飾りを付けさせ、さらに国営農場でじゃがいもの展示栽培を行いました。そこで「じゃがいもとは非常に美味しい野菜で、栄養値が高く王侯貴族が食べるものだから絶対に盗むなよ?食べたら厳罰だぞ?」といったお触れを出し、昼は大袈裟に畑を警備し、夜はあえて警備を手薄にすることでじゃがいもを盗ませて、庶民の間に広めたそうです

こうして、フランス全土にじゃがいもは広まり、飢餓を減らし、今ではなくてはならない食材になったのです

フランス革命で処刑されてしまった二人ですが、国民の飢餓問題を解決する為に実はルイ16世もマリーアントワネット知恵を尽くして頑張っていたのかもしれませんね

じゃがいもには、そんな歴史もあるんです!

詳しい話は、植物学者の稲垣栄洋先生が書いた「世界史を大きく動かした植物」をぜひ読んでみてください笑

以上、緑になったじゃがいもは剥けば食べられる?でした

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