ニラとスイセンを間違える食中毒が絶えません
つい先日、2019年5月4日にも、東京から秋田県仙北市に帰省中の30代~40代の夫婦が土手に生えていたスイセンを誤って食べてしまい食中毒を発症してしまったとのニュースが流れていました
二人とも味に違和感を感じて一口で食べるのをやめたそうですが、下痢や嘔吐の症状が出たとのことです
スイセンには人体に有害なリコリン(アルカロイドの1種)が含まれており、食べてしまうと嘔吐や下痢を発症します。死亡例も報告されていることから、誤食には注意しなければなりません
4月~5月にかけて増えるこの食中毒、なぜ間違いが起こるのか、どの様に見極めれば良いのか。について話していきたいと思います
野生化したニラの存在
私がまだニラやスイセンについての知識が無い頃、スイセンの食中毒のニュースを目にしたとき、「ニラとスイセンが良く似ているのは分かるけど、何故そこら辺に生えている草がニラだと思ったの・・」と思っていました
同じように考える方も多いのではないでしょうか?
しかし、実はニラは身近に野草として繁殖している植物なのです
道端や河川敷などをよく見ると、簡単に見つけることができますよ
ニラはとても生命力が強く、管理されている畑でなくても生きていくことができます
河川敷などでは、一面に繁茂していることもありますよ!
自生しているニラは一般的に食べられているニラと見た目、味が同じです
もともと食用に栽培されていたニラが自生し、繁殖したものがほとんどですから、もちろん食べられます
ニラ玉や餃子など・・ニラをたくさん使うおいしい料理は沢山ありますよね!そんなスタミナ料理にはもってこいのおいしいニラが家の近くで無限に手に入るのであれば、収穫したくなっちゃうのもわからなくもないです
事実として、野草として生えているニラを食べている方は沢山います。(特にお年寄りなど)
日常的に取って食べているからこそ、特に警戒せずに食べてしまうのかもしれませんね。昨日ここで取ったニラが美味しかったから今日も収穫して食べちゃおう。みたいな感じ
野生のニラは5月~8月収穫時期となるので、この時期には食中毒のニュースが増えます
野草として生えているニラは密集して生えていることが多いので、まさに取り放題。新鮮なニラは美味しく、料理に使えば食費を浮かせられること間違いなしですが、食べるのはなかなかリスキー
野生のスイセンも多い
スイセンも生命力が強く、野草としてどこでも自生しています
ニラが生えるような環境でスイセンも育ちやすいようで、同じ場所に生えていることも多いです
スイセンはニラよりも大きく成長するので、株が大きく育っていたり、黄色い花が咲いていればニラと間違えることはまずありませんが、まだ小さい場合、見て判断するのは難しいです
ニラをまとめて収穫してしまうと紛れてしまう可能性があります
スイセンは食べてしまうと大変危険です。もし収穫する場合は間違えないよう以下の3点を確認してみて下さい
葉を揉んでにおいを嗅ぐ
これが1番簡単で間違いが少ないです
葉を揉んでニラの香りがするか確かめてみてください
ニラであればニラ特有の強い香りがします。スイセンであればニラのような匂いはありません
ニラの香りがしても、香りが弱い場合は、食べることのできない観賞用のハナニラの可能性もありますので食べるのは避けた方が良いです
根元をチェックする
スイセンであれば丸い球根があります
また、スイセンは茎の太さがニラに比べて明らかに太いです
見てもわかりにくい場合は引っこ抜いてみましょう
球根がついていればスイセンの可能性が高いので食べるのはやめましょう
葉の幅をチェックする
スイセンの葉はニラの葉に比べて幅が広く厚みがあります
葉を見て明らかにニラよりも幅が広く、厚みがあり、葉が繊維質で硬い場合はスイセンの可能性が高いです
株が小さい場合は見分けがつきにくいこともありますが、慣れれば葉を見ただけで判別できるようになります
心配な方は花をチェック
上記の見分け方でも、観賞用のハナニラなどと間違える場合もあります。心配な方は夏の花が咲いている時期に収穫しましょう
ニラは白い小さな花が写真のように咲きます
花は特徴的でわかりやすいので、見分けるのは非常に簡単です
この花が咲いている株の葉を収穫すれば間違いありません。また、花の咲いているところを覚えておけば、ニラは多年草なので次の年に収穫が可能です
まとめ
ニラと間違えてスイセンを食べてしまう理由は、見た目がすごく似ていることに加えて、ニラもスイセンも生命力が強く、あちこちに自生しているからです・・・!
まず、自生している植物はニラに限らず食べないのが一番です。植物の毒は甘く見てはいけません。「間違えても不味いだけ。」と思っていると痛い目を見ます
それでも、美味しそうな明らかにニラがすぐそこに生えていて収穫して見たい・・という方は、ぜひ見分け方を参考にしてみてください。くれぐれもスイセンには注意してくださいね・・!