【ヤマボウシ】落葉と常緑の違い|どちらがオススメ?

庭木の中でもトップクラスに人気の高いヤマボウシ(山法師)。

このヤマボウシには「一般的な落葉種」と「常緑種」があるのですが、

「落葉と常緑は何が違うの?」

「植えるならどっちがオススメなの?」

といった疑問をお持ちの方が多いのではないでしょうか?

今回はそんなヤマボウシの疑問について、お答えしていきたいと思います!

結論としては常緑ヤマボウシがオススメなのですが、その理由等も細かく説明していきます!

注意点もありますのでチェックしてみてください。

落葉種と常緑種の違い

ヤマボウシ(山法師)はミズキ科ミズキ属の落葉高木です。

落葉と常緑どちらも梅雨の時期にきれいな花を咲かせてくれたり、食べられる実をつけてくれるという点は似ているのですが、いくつか異なる点があります。

個別に詳しく説明していきます!

常緑ヤマボウシは落葉しない

落葉ヤマボウシと常緑ヤマボウシと書いていますので、既にお分かりかと思いますが、落葉ヤマボウシは冬になると葉をすべて落とすのに対して、常緑ヤマボウシは葉を落としません。

2種とも秋になると紅葉し、葉が紅くなるのですが、常緑ヤマボウシは葉が紅い状態で冬を乗り切り、春になると徐々に葉の色が緑に戻っていきます。

※関東地区より北の寒い地域では常緑ヤマボウシも落葉する可能性があります。

常緑ヤマボウシは寒さに弱い

落葉ヤマボウシ比べて、常緑ヤマボウシは寒さに弱いです。

常緑ヤマボウシは気温がマイナス5度を下回ると枯れる可能性があります。

落葉ヤマボウシは本州以南であれば特に気にすることなく植えることができますが、常緑ヤマボウシは北関東以北に植えた場合、冬に枯れる可能性がありますので注意が必要です。

寒さに強いから、葉を落とさないというわけでないんです・・・!ちょっと意外ですよね。

樹形が違う

落葉ヤマボウシの樹形は「単幹」、常緑ヤマボウシの樹形は「株立ち」に育つことが多いです。

「単幹」とは:木の幹が根元から上部まで1本になっている樹形

単幹イメージ

「株立ち」とは:木の幹が根元部分から何本にも分岐している樹形

株立ちイメージ

基本的に「単幹」は上に成長していくのに対して、「株立ち」は横にも成長していきます。

木の樹形はお庭にシンボルツリーとして植える場合、一株で存在の出る「株立ち」が好まれる場合が多く、価格も「単幹」に比べて「株立ち」が高額になります。

ヤマボウシの場合も、「単幹」で成長が進んでいくと葉や花がきれいに見えない高さまで成長してしまうため、横に広がる「株立ち」の方が人気が高く、価格も高いです。

常緑ヤマボウシは自然に「株立ち」になる苗が多く、横に広がっていく性質があるようです。

ちなみに落葉ヤマボウシでも根元で剪定して適切に管理すれば、人工的に株立ちに育てることは可能です。ただし常緑ヤマボウシに比べると横への広がり(葉のボリューム感など)は少ないようです。

株立ちの綺麗なヤマボウシ

庭木にオススメなのは?

常緑ヤマボウシがオススメ!(ただし地域を選ぶ)

(北関東以北の場合は、冬に枯れる可能性があるため、落葉の方が良い。)

なぜ常緑の方が良いのか、その理由は大きく2つあります。

まず、一つ目は「見栄え」です。上記で説明した通り、常緑ヤマボウシは横に広がって成長するため、花が咲いた時の迫力がスゴイです。剪定をこまめに行わないといけないなどデメリットはありますが、やはり花が咲いている時期が栄える方が良いかと思います。

また、花が咲いていない時期でも、一株で小さな林のような存在感を出してくれるため、シンボルツリーにに持ってこいです。

二つ目の理由は、「落葉しない」点です。

冬になっても落葉しないことで掃除が楽になりますし、周りに迷惑をかけにくいです。

ヤマボウシは10m近くまで成長する木ですので、落葉ですと後々落ち葉の問題に困る可能性もありますが、常緑であれば、道路やお隣の家に落ち葉が飛んで行ってしまう心配も少なく、安心して植えることができます。

常緑ヤマボウシがオススメですが、流通力が少なく希少ですので、入手が困難という問題があるかもしれません。入手されたい場合は、通販を利用するか、植木屋さんに相談すると良いかと思います。

常緑ヤマボウシの品種紹介

オススメをお伝えしたところで、常緑ヤマボウシの代表的な品種を紹介させていただきます!

ホンコンエンシス「月光」

「ホンコンエンシス」の花付きの良いところを枝分けして作られた品種で、常緑ヤマボウシの中で最も人気のあります。

ヤマボウシの品種の中で最も花付きが良く、開花時期の華やかさはダントツ1位!

花のサイズは落葉ヤマボウシと似て大きく、一輪の存在感があります。

開花時期が終わると、食べることができる赤い実をつけます。実の見た目は通常のヤマボウシと同じですが、花が多い分沢山実ります。

常緑種ですが、他の品種に比べると冬の落葉が多い方です。

寒さに弱い方く、関東以北の地域では注意が必要です。

人気が高いのですが、生産している農家さんが少なく、入手は困難となっているようです。

通販などを使わないと、植木屋さんで見かけることは少ないです。依頼すれば入荷してくれるかもしれませんので、売っていなくても相談してみると良いかと思います。

ホンコンエンシス「メラノトリカ」(カビサンヤマボウシ)

月光と同じホンコンエンシスの亜種ですが、花は月光よりも小さく、少し黄色味入った白となっています。

花付きは月光よりも少なめで、葉も小ぶりなので、派手さは月光に劣ります。

月光より寒さに強く、落葉が少なのが特徴です。

ホンコンエンシス

月光の品種改良される前のものです。

月光に比べると花数は少ないですが、それ以外の性質は同じです。

花が少ないことで落ち着いた印象があり、月光よりもこちらを好む方も居ます。

常緑ヤマボウシは最近出てきた品種ですので、まだまだ知名度が低く、ホンコンエンシス「月光」、ホンコンエンシス「メラノトリカ」、ホンコンエンシスはまとめて「ホンコンエンシス」と表記されて売られていることが多いです

購入して植えた後で、「思っていたのと違う・・」とならないように、購入時はしっかり確認しておいた方が良いです。

ヒマラヤヤマボウシ

花はサイズ小さめでクリーム色になっており、葉はホンコンエンシス系に比べて細く、黄緑に近い色をしています。

花付きが良く、開花時期はとても見ごたえのある品種です。

ただし、、成長すると高さ10m以上の大きくなる品種で、そのサイズから庭木としては敬遠されがちです。

流通量はホンコンエンシス系よりも少なく、入手は困難です。

まとめ

今回は、大人気のヤマボウシについて落葉と常緑の違いに触れてみました。

ヤマボウシは、きれいな白い花を咲かせてくれたり、赤くて面白い形の実をつけてくれたり、とても楽しませてくれる高木です。


紅くて特徴的な実

そんなヤマボウシですが、品種改良によってその魅力はさらに増していますね・・!

常緑ヤマボウシは最近生まれた品種で入手が困難ですが、今後はもっと流通量が増えて手軽に植樹できるようになると良いなと思います。

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